買い物通貨 2009 6 21
これは、今から数十年前の話です。
私がエーゲ海の観光に行った時の体験です。
ショーウィンドウの中にある銀細工を見ていたら、
店員が、「安くする。ハラキリ価格だ」と言うのです。
しかし、私は、買い物をする予定がなかったので、
現地の通貨をほとんど持っていなかったのです。
それを店員に説明したら、「日本円でOK」と言うのです。
そこで、私は、「日本円も、1万円札しか持っていない」と言ったのです。
(現在の為替レートでは、1万円札は100ドル相当)
それでも、店員は、「1万円札でOK」と言うのです。
私は不安になりました。
エーゲ海に浮かぶ小さな島で、1万円札を渡して、
はたして、ちゃんと、お釣りが返ってくるか心配になったのです。
しかし、銀細工は、見事な作品なので、
私は、「1万円で買ってもいい」と思いました。
店員は、電卓を使って、あれこれ計算して、
日本円で、概ね正しい、お釣りが返ってきました。
私は、こういう店もあるのかと感心しました。
記念に、その店の前で、写真を取りました。
これが、日本に帰ってきて、現像すると、大変なことになりました。
その店の隣が、飲食店だったのですが、
店の前にある看板に、
「ファンタ」、「コーラ」、「アイス」など、
日本語のカタカナで、いっぱい書いてあったのです。
この記念写真を友人に見せても、エーゲ海の小島だと信じてくれません。
私が見ても、この記念写真は、日本の地方都市の飲食店のように見えました。
以上の話は、今から20年以上前の話ですので、今は事情が違うかもしれません。
さて、これも、10年近く前の話です。
今度は、日本での話になります。
土曜日でした。
東京駅近くのオフィス街のATM(automatic teller machine)で、
外国人の二人連れが、怪しげな動きをしているのが、目に入ったのです。
遠巻きに見ていただけなので、正確には、わからなかったのですが、
おそらく、こういうことだったと思います。
外国人は、成田空港で、日本円に交換しなかったので、
東京駅に着くと困ってしまい、
ATMでクレジットカードを使ってキャッシングすれば、
ATMから、日本円が出てくると思い、悪戦苦闘している様子でした。
東京は、国際都市ですが、
ドルで買い物ができる店は少ないと思います。
しかも、日本は、現金主義が主流で、
クレジットカードよりも現金で払う人が多いので、
店も、それを当然だと思っているでしょう。
日本人ならば、まったく違和感がありませんが、
日本に来た外国人は、非常に苦労するでしょう。
東京で外国人が多い場所は、
ドル、ユーロ、人民元、ウオンで買い物ができるようにすべきです。
東京は、国際都市になったはずですから。
商品の価格表示も、せめてドル建て表示は必要でしょう。
日本は、観光庁(Japan Tourism Agency)を作って、
外国人観光客を多く受け入れたいのでしょう。
観光庁のサイトには、「観光立国を目指す」と書いてあります。
それならば、外国人観光客がよく行く観光地は、
おみやげは、ドル建て表示の方が親切でしょう。
観光庁は、そういう行政指導をすべきでしょう。